美容ブランドを一から立ち上げることは、多くの時間と努力を要します。
この記事では、アイディアの発案から製品の発売までにかかる時間を詳しく解説します。
1. はじめに
ものづくりのプロセスは、いくつかの段階に分かれており、それぞれの段階でかかってくる所要時間について解説します。
なぜ、時間について書いているのかというと、時間がかかるとその分コストもかかってくることがあるためです。また、流行り廃りや季節要因で、商品の売れ行きが変わってくるため、時間がかかりすぎてタイミングを逃してしまう可能性もあります。適正なコスト・タイミングで発売を迎えるためには時間管理もすごく大切なのです。
特に企画立案や試作段階においては、思ったよりも時間を要してしまうこともあります。長期で企画期間を費やしてしまうと、それだけ人件費などのコストも発生してしまいます。発売時期を設定し、それに沿ってスケジュール管理をしていくことで、余計な支出も防ぐことができます。
弊社のサービスでは、お客様の発売希望時期に合わせてさまざまな提案、お手伝いをさせていただきます。ブランド立ち上げの際のスケジュール管理のフォーマットもこちらからダウンロード可能です。
2. ステップ
①企画立案と市場調査
新しい美容ブランドを立ち上げる最初のステップは、コンセプトの発案と市場調査です。これは通常3〜4ヶ月かかります。市場のニーズを理解し、競合他社の分析を行うことで、自分のブランドがどのように差別化できるかも見極めましょう。
企画を書き出す時に、何からしたら良いか分からない場合は、こちら(化粧品ブランドの立ち上げ方)の記事もご覧ください。
企画立案と市場調査ステップでの所要時間
【合計で4〜10ヶ月】
各ステップに具体的な期限を設け、進行状況を定期的にチェックすることで、遅延を防ぎ、効率的にプロセスを進めることが重要です。
■ブランドアーキテクチャ設計(1〜2ヶ月)
ブランドアーキテクチャのフォームを使うことで、「決定したもの」「未決定のもの」を可視化して把握できるので便利です。 それぞれの項目を埋める期限を設けて進行しましょう。期限を設けないと、何ヶ月でもかかってしまい、商品の設計に影響をしたり、時間が伸びたことでのコストが追加でかかることもあります。
■市場調査(2〜3ヶ月)
市場調査は自分たちの競合となるブランドの調査や市場規模を把握する時間です。調査期間を決め、定期的に進捗をチェックする。データ収集と分析に必要なリソースを予め確保すると良いでしょう。市場調査は、ターゲット市場の特性を理解するために重要です。消費者のフィードバックやトレンドを把握するために、アンケート調査やフォーカスグループの実施も考慮しましょう。
■事業戦略(1〜2ヶ月)
現実的な販売戦略とマーケティングプランを作成し、具体的なアクションプランに落とし込む期間です。ここはビジネスプランの策定なので市場調査などで得た数値を自分達のプランに落とし込んでいく作業です。また、融資などを考えている場合は、資金調達のプラン資料も作成が必要となるのでもう少し時間がかかることもあります。
② 製品開発と試作
事業戦略やブランドアーキテクチャがまとまってきたら、具体的な製品開発と試作フェーズに移ります。このフェーズでは、製品の成分選定、サンプルワーク、品質試験などが行われます。工場との協力により、このプロセスには通常、6〜12ヶ月が必要です。複数回の試作とテストを通じて、製品の品質と効果を確かめます。
製品開発と試作ステップでの所要時間
【合計で6〜12ヶ月】
■処方オーダーシートの作成(1〜2ヶ月)
使用したい成分を選定したり、配合量の目安を考えます。ターゲットになる商品を試して、オーダーシートを完成させていきます。
■バルクサンプルワーク(3〜4ヶ月)
オーダーシートをもとに、工場にて試作サンプルを依頼します。通常サンプルが上がってくるまでの期間は2〜3週間かかります。サンプルワークを何回繰り返すかで所要時間は変わってきます。少ない試作回数で的確に希望のバルクを作るためには、オーダーシートを精度高く作っておくことが大切です。また、改良の依頼もできるだけ具体的である方が改良サンプルの精度も高まり、時間を短縮できます。
■容器選定(1〜2ヶ月)
バルクのサンプルワークをしている間に同時進行で容器の選定もしていきます。既存の型で印刷やラベルの変更であれば通常1〜2ヶ月で決定が可能ですが、もし一から型おこしをする場合は、金型の作成期間で3ヶ月ほど追加になります。※希望する形によって異なります。
■品質管理(3〜4ヶ月)
最終決定した処方で、化粧品としての品質が担保できるように試験を行います。一般的な安定試験は1〜3ヶ月かかり、それ以外にアレルギーテストやモニターへの使用感評価やユーザーフィードバックを要する場合は、追加で1〜2ヶ月見ておくと良いでしょう。
③ ブランドの構築と法的手続き
製品が形になってきたら、ブランドの構築と法的手続きを進めます。ブランド名の決定、ロゴデザイン、パッケージデザインなどが含まれます。また、商標登録や製品の安全性に関する法的手続きを行います。このステップには3〜6ヶ月かかります。
ブランド構築・法的手続きステップでの所要時間
【合計で3〜6ヶ月】
■ブランドの構築(2ヶ月〜3ヶ月)
- ブランドアーキテクチャの完成(1〜2週間)
- ブランド名の決定(2〜4週間)
- ロゴデザインの作成(3〜4週間)
- パッケージデザインの作成(4〜6週間)
ここでは、ブランドアーキテクチャや決定し始めた製品をもとに、ブランドとしてのポイントを「確定」させ、法的な手続きが取れるように進めていきましょう。
■法的手続き(2ヶ月〜3ヶ月)
- 商標登録(3〜6ヶ月)
- 商標の検索と確認(1〜2週間)
- 商標登録の申請書類の作成と提出(2〜3週間)
- 登録審査と公告期間(2〜5ヶ月)
商標の登録は、自分達のブランドを守るためだけでなく、他社の商用を侵害していないかのチェックも重要となるので気をつけましょう。
- 製品の成分と製造プロセスの法的確認(1〜2ヶ月)
- 成分の法的適合性の確認(2〜3週間)
- 製造販売元と販売名を決めて管轄の薬務課への提出(1〜2週間)
- 必要な認証の取得(1〜3ヶ月)
- 製品の安全性に関する試験(2〜4週間)
- 必要な認証の申請と取得(4〜8週間)
各ステップと法的手続きをしっかりと計画し、進行管理することで、ブランドの構築を効率的に進めることができます。また、法的手続きに詳しい専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
④ 製造と品質管理
ブランドが確立したら、製造と品質管理のフェーズに移ります。製造業者を選定し、生産の準備を整えます。製品の品質を維持するための管理体制を確立します。このプロセスは通常、3〜6ヶ月かかります。
製造と品質管理のステップと所要時間
【合計で3〜6ヶ月】
■容器の発注(3〜4ヶ月)
製造の中でも”容器”はパーツによって納品までに時間を多く要するものがあります。通常では3ヶ月程度ですが、4〜5ヶ月程度かかるものもありますので、注意が必要です。
■本番製造(3〜4ヶ月)
いよいよ、中身、容器が確定したら、発注した容器が納品され次第、充填を開始します。一般的には発注から3〜4ヶ月がかかることが多いですが、工場の混雑具合によって製造リードタイムは大きく異なるため事前に確認の上、スケジュール調整することが望ましいでしょう。
■品質管理(1〜2ヶ月)
製造の品質を安定させるために仕様書や工程書を作成します。一般的に「品質標準書」と呼ばれるもので工場と一緒に作成し、本番製造の際には標準書に乗っ取りながら製造に入ります。
製造と品質管理の各ステップをしっかりと計画し、進行管理することで、高品質な製品を効率的に生産することができます。
⑤ マーケティングとプロモーション
製品発売前に、マーケティングとプロモーション活動を開始します。
広告キャンペーン、SNSマーケティング、インフルエンサーマーケティングなどを計画・実行します。これには3〜6ヶ月が必要です。
マーケティングとプロモーション制作策定のステップと所要時間
【合計で1〜2ヶ月】
■マーケティング戦略の策定(1〜2ヶ月)
ターゲット顧客の特定とペルソナ作成を設定し、そこにどんな情報として接触するかのプランを考えます。施策の内容によっては決定してから、施策実施までに時間がかかるものもあるので、事前にどんな施策内容でそれぞれのリードタイムがどれくらいかを把握して行くことをおすすめします。
■施策のためのクリエイティブ制作(1〜3ヶ月)
上記で設定した施策を実施するためには、写真やキービジュアルなどいわゆる「素材」と言われるものが必要です。これを撮影したり制作したりする期間は1〜3ヶ月見ておくと良いでしょう。
発売前にマーケティングやプロモーションをしっかり計画できるスケジュールを組みましょう。
あなたのブランドの記念すべきデビューは1回なので、そのタイミングでできることややるべきことをきちんと書き出しながら施策を実施していくと良いでしょう。
⑥ 最終準備
最後に、製品の発売に向けた準備を整えます。販売チャネルの確保、在庫管理、カスタマーサポートの体制を整えます。
また、ローンチイベントの計画も行います。この段階には1〜2ヶ月がかかります。
発売に向けた準備のステップと所要時間
【合計で1〜2ヶ月】
■販売チャネルの確保(1〜2ヶ月)
販売チャネルがオンライン上であれば通常1〜2ヶ月で発売日までにサイトの構築などができますが、オフライン企業に卸を行う場合は、商談のスケジュールとバイヤーからの採用の回答がもらえるまで2〜3ヶ月かかることもありますので、時間配分は気をつけましょう。
■システムの導入(2〜3週間)
在庫システムや売上管理など、システムとして導入すべきものがあるのかを検討します。ある場合は契約から、そのシステムを使いこなせるようになるまでのレクチャー期間を経るため1〜2ヶ月はかかってくるので、担当者の時間を確保しておくことが重要です。
■カスタマーサポート体制の整備(2〜3週間)
上記のシステムの導入と同様に、カスタマーサポートをどう管理するかを検討します。システムを導入するのか、少しアナログだけど一定顧客数まで辿り着くまで自分たちが行うのか考えながら進めましょう。また、顧客管理は美容ブランドの立ち上げにおいてとても重要です。顧客の対応履歴も管理できる体制を整えておきましょう。
3. 最後に
美容ブランドを一から立ち上げるには、通常1年から2年程度の時間がかかります。各フェーズをしっかりと計画し、実行することで、成功に近づくことができます。時間と労力を惜しまず、細部までこだわることも重要です。しっかりとした準備と戦略をもって進めることで、競争の激しい美容業界で成功するブランドを築くことができるでしょう。
美容ブランドを一から立ち上げることは、多くの時間と努力を要します。
この記事では、アイディアの発案から製品の発売までにかかる時間を詳しく解説します。
1. はじめに
ものづくりのプロセスは、いくつかの段階に分かれており、それぞれの段階でかかってくる所要時間について解説します。
なぜ、時間について書いているのかというと、時間がかかるとその分コストもかかってくることがあるためです。また、流行り廃りや季節要因で、商品の売れ行きが変わってくるため、時間がかかりすぎてタイミングを逃してしまう可能性もあります。適正なコスト・タイミングで発売を迎えるためには時間管理もすごく大切なのです。
特に企画立案や試作段階においては、思ったよりも時間を要してしまうこともあります。長期で企画期間を費やしてしまうと、それだけ人件費などのコストも発生してしまいます。発売時期を設定し、それに沿ってスケジュール管理をしていくことで、余計な支出も防ぐことができます。
弊社のサービスでは、お客様の発売希望時期に合わせてさまざまな提案、お手伝いをさせていただきます。ブランド立ち上げの際のスケジュール管理のフォーマットもこちらからダウンロード可能です。
2. ステップ
①企画立案と市場調査
新しい美容ブランドを立ち上げる最初のステップは、コンセプトの発案と市場調査です。これは通常3〜4ヶ月かかります。市場のニーズを理解し、競合他社の分析を行うことで、自分のブランドがどのように差別化できるかも見極めましょう。
企画を書き出す時に、何からしたら良いか分からない場合は、こちら(化粧品ブランドの立ち上げ方)の記事もご覧ください。
企画立案と市場調査ステップでの所要時間
【合計で4〜10ヶ月】
各ステップに具体的な期限を設け、進行状況を定期的にチェックすることで、遅延を防ぎ、効率的にプロセスを進めることが重要です。
■ブランドアーキテクチャ設計(1〜2ヶ月)
ブランドアーキテクチャのフォームを使うことで、「決定したもの」「未決定のもの」を可視化して把握できるので便利です。 それぞれの項目を埋める期限を設けて進行しましょう。期限を設けないと、何ヶ月でもかかってしまい、商品の設計に影響をしたり、時間が伸びたことでのコストが追加でかかることもあります。
■市場調査(2〜3ヶ月)
市場調査は自分たちの競合となるブランドの調査や市場規模を把握する時間です。調査期間を決め、定期的に進捗をチェックする。データ収集と分析に必要なリソースを予め確保すると良いでしょう。市場調査は、ターゲット市場の特性を理解するために重要です。消費者のフィードバックやトレンドを把握するために、アンケート調査やフォーカスグループの実施も考慮しましょう。
■事業戦略(1〜2ヶ月)
現実的な販売戦略とマーケティングプランを作成し、具体的なアクションプランに落とし込む期間です。ここはビジネスプランの策定なので市場調査などで得た数値を自分達のプランに落とし込んでいく作業です。また、融資などを考えている場合は、資金調達のプラン資料も作成が必要となるのでもう少し時間がかかることもあります。
② 製品開発と試作
事業戦略やブランドアーキテクチャがまとまってきたら、具体的な製品開発と試作フェーズに移ります。このフェーズでは、製品の成分選定、サンプルワーク、品質試験などが行われます。工場との協力により、このプロセスには通常、6〜12ヶ月が必要です。複数回の試作とテストを通じて、製品の品質と効果を確かめます。
製品開発と試作ステップでの所要時間
【合計で6〜12ヶ月】
■処方オーダーシートの作成(1〜2ヶ月)
使用したい成分を選定したり、配合量の目安を考えます。ターゲットになる商品を試して、オーダーシートを完成させていきます。
■バルクサンプルワーク(3〜4ヶ月)
オーダーシートをもとに、工場にて試作サンプルを依頼します。通常サンプルが上がってくるまでの期間は2〜3週間かかります。サンプルワークを何回繰り返すかで所要時間は変わってきます。少ない試作回数で的確に希望のバルクを作るためには、オーダーシートを精度高く作っておくことが大切です。また、改良の依頼もできるだけ具体的である方が改良サンプルの精度も高まり、時間を短縮できます。
■容器選定(1〜2ヶ月)
バルクのサンプルワークをしている間に同時進行で容器の選定もしていきます。既存の型で印刷やラベルの変更であれば通常1〜2ヶ月で決定が可能ですが、もし一から型おこしをする場合は、金型の作成期間で3ヶ月ほど追加になります。※希望する形によって異なります。
■品質管理(3〜4ヶ月)
最終決定した処方で、化粧品としての品質が担保できるように試験を行います。一般的な安定試験は1〜3ヶ月かかり、それ以外にアレルギーテストやモニターへの使用感評価やユーザーフィードバックを要する場合は、追加で1〜2ヶ月見ておくと良いでしょう。
③ ブランドの構築と法的手続き
製品が形になってきたら、ブランドの構築と法的手続きを進めます。ブランド名の決定、ロゴデザイン、パッケージデザインなどが含まれます。また、商標登録や製品の安全性に関する法的手続きを行います。このステップには3〜6ヶ月かかります。
ブランド構築・法的手続きステップでの所要時間
【合計で3〜6ヶ月】
■ブランドの構築(2ヶ月〜3ヶ月)
- ブランドアーキテクチャの完成(1〜2週間)
- ブランド名の決定(2〜4週間)
- ロゴデザインの作成(3〜4週間)
- パッケージデザインの作成(4〜6週間)
ここでは、ブランドアーキテクチャや決定し始めた製品をもとに、ブランドとしてのポイントを「確定」させ、法的な手続きが取れるように進めていきましょう。
■法的手続き(2ヶ月〜3ヶ月)
1. 商標登録(3〜6ヶ月)
・商標の検索と確認(1〜2週間)
・商標登録の申請書類の作成と提出(2〜3週間)
・登録審査と公告期間(2〜5ヶ月)
商標の登録は、自分達のブランドを守るためだけでなく、他社の商用を侵害していないかのチェックも重要となるので気をつけましょう。
2. 製品の成分と製造プロセスの法的確認(1〜2ヶ月)
・成分の法的適合性の確認(2〜3週間)
・製造販売元と販売名を決めて管轄の薬務課への提出(1〜2週間)
3. 必要な認証の取得(1〜3ヶ月)
・製品の安全性に関する試験(2〜4週間)
・必要な認証の申請と取得(4〜8週間)
各ステップと法的手続きをしっかりと計画し、進行管理することで、ブランドの構築を効率的に進めることができます。また、法的手続きに詳しい専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
④ 製造と品質管理
ブランドが確立したら、製造と品質管理のフェーズに移ります。製造業者を選定し、生産の準備を整えます。製品の品質を維持するための管理体制を確立します。このプロセスは通常、3〜6ヶ月かかります。
製造と品質管理のステップと所要時間
【合計で3〜6ヶ月】
■容器の発注(3〜4ヶ月)
製造の中でも”容器”はパーツによって納品までに時間を多く要するものがあります。通常では3ヶ月程度ですが、4〜5ヶ月程度かかるものもありますので、注意が必要です。
■本番製造(3〜4ヶ月)
いよいよ、中身、容器が確定したら、発注した容器が納品され次第、充填を開始します。一般的には発注から3〜4ヶ月がかかることが多いですが、工場の混雑具合によって製造リードタイムは大きく異なるため事前に確認の上、スケジュール調整することが望ましいでしょう。
■品質管理(1〜2ヶ月)
製造の品質を安定させるために仕様書や工程書を作成します。一般的に「品質標準書」と呼ばれるもので工場と一緒に作成し、本番製造の際には標準書に乗っ取りながら製造に入ります。
製造と品質管理の各ステップをしっかりと計画し、進行管理することで、高品質な製品を効率的に生産することができます。
⑤ マーケティングとプロモーション
製品発売前に、マーケティングとプロモーション活動を開始します。
広告キャンペーン、SNSマーケティング、インフルエンサーマーケティングなどを計画・実行します。これには3〜6ヶ月が必要です。
マーケティングとプロモーション
制作策定のステップと所要時間
【合計で1〜2ヶ月】
■マーケティング戦略の策定(1〜2ヶ月)
ターゲット顧客の特定とペルソナ作成を設定し、そこにどんな情報として接触するかのプランを考えます。施策の内容によっては決定してから、施策実施までに時間がかかるものもあるので、事前にどんな施策内容でそれぞれのリードタイムがどれくらいかを把握して行くことをおすすめします。
■施策のためのクリエイティブ制作(1〜3ヶ月)
上記で設定した施策を実施するためには、写真やキービジュアルなどいわゆる「素材」と言われるものが必要です。これを撮影したり制作したりする期間は1〜3ヶ月見ておくと良いでしょう。
発売前にマーケティングやプロモーションをしっかり計画できるスケジュールを組みましょう。
あなたのブランドの記念すべきデビューは1回なので、そのタイミングでできることややるべきことをきちんと書き出しながら施策を実施していくと良いでしょう。
⑥ 最終準備
最後に、製品の発売に向けた準備を整えます。販売チャネルの確保、在庫管理、カスタマーサポートの体制を整えます。また、ローンチイベントの計画も行います。この段階には1〜2ヶ月がかかります。
発売に向けた準備のステップと所要時間
【合計で1〜2ヶ月】
■販売チャネルの確保(1〜2ヶ月)
販売チャネルがオンライン上であれば通常1〜2ヶ月で発売日までにサイトの構築などができますが、オフライン企業に卸を行う場合は、商談のスケジュールとバイヤーからの採用の回答がもらえるまで2〜3ヶ月かかることもありますので、時間配分は気をつけましょう。
■システムの導入(2〜3週間)
在庫システムや売上管理など、システムとして導入すべきものがあるのかを検討します。ある場合は契約から、そのシステムを使いこなせるようになるまでのレクチャー期間を経るため1〜2ヶ月はかかってくるので、担当者の時間を確保しておくことが重要です。
■カスタマーサポート体制の整備(2〜3週間)
上記のシステムの導入と同様に、カスタマーサポートをどう管理するかを検討します。システムを導入するのか、少しアナログだけど一定顧客数まで辿り着くまで自分たちが行うのか考えながら進めましょう。また、顧客管理は美容ブランドの立ち上げにおいてとても重要です。顧客の対応履歴も管理できる体制を整えておきましょう。
3. 最後に
美容ブランドを一から立ち上げるには、通常1年から2年程度の時間がかかります。各フェーズをしっかりと計画し、実行することで、成功に近づくことができます。時間と労力を惜しまず、細部までこだわることも重要です。しっかりとした準備と戦略をもって進めることで、競争の激しい美容業界で成功するブランドを築くことができるでしょう。
この記事を書いたのは…
瀧井瑠華(たきいるか)
百貨店ブランドからマス流通のブランドまで幅広く携わり、化粧品事業や新ブランドの立ち上げを複数回経験。2010年から2024年までに10ブランド以上をリリース。現在は、商品企画を中心に、事業計画から販売促進まで幅広く従事した経験をもとに、化粧品事業の立ち上げのコンサルティングを担う。
この記事を書いたのは…
瀧井瑠華(たきいるか)
百貨店ブランドからマス流通のブランドまで幅広く携わり、化粧品事業や新ブランドの立ち上げを複数回経験。2010年から2024年までに10ブランド以上をリリース。現在は、商品企画を中心に、事業計画から販売促進まで幅広く従事した経験をもとに、化粧品事業の立ち上げのコンサルティングを担う。