【初心者向け】化粧品パッケージの「全成分表示」のルールと、薬機法で注意すべきNG表現

化粧品のパッケージを見ると、「水、BG、グリセリン……」など、多くの成分が記載されています。

初めてオリジナル化粧品を作る方のなかには、「配合している成分はすべて書く必要があるのか」「成分を並べる順番にルールはあるのか」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

日本で化粧品を販売する場合は、原則として配合されているすべての成分を表示する「全成分表示」が必要です。また、パッケージには全成分だけでなく、販売名や製造販売業者の名称・住所など、法令に基づいて表示する項目があります。

さらに、パッケージ上の商品説明やキャッチコピーには、薬機法を踏まえた表現が求められます。本記事では、化粧品の全成分表示のルールと、パッケージ制作時に注意したい薬機法上の表現について、初心者にもわかりやすく解説します。

1. 化粧品の全成分表示とは

化粧品の全成分表示とは、製品に配合されている成分を、原則としてすべて表示する仕組みです。

日本では2001年4月から化粧品の全成分表示制度が導入されています。消費者が商品を選ぶ際に配合成分を確認できるようにし、自分に合う化粧品を選択するための情報を提供することが目的の一つです。

①原則として配合しているすべての成分を表示する

一般化粧品では、一部の例外を除いて、完成品に配合されているすべての成分を表示します。

例えば、美容液に、

・水 ・BG

・グリセリン ・ヒアルロン酸Na

・植物エキス ・防腐剤

などが含まれていれば、それぞれ適切な表示名称を使用して記載します。

商品の特徴として訴求する美容成分だけを記載すればよいわけではありません。

②消費者が商品を選ぶための情報になる

全成分表示があることで、消費者は購入前に配合成分を確認できます。

過去に特定の成分が肌に合わなかった場合なども、購入前にその成分が含まれていないか確認する材料になります。

全成分表示は、商品の特徴を伝えるためだけでなく、消費者が商品を選択するための重要な情報です。

③化粧品と医薬部外品では表示方法が異なる

一般化粧品と医薬部外品では、成分表示の考え方が異なります。

一般化粧品は原則として全成分を表示します。一方、医薬部外品では、「有効成分」と「その他の成分」を分けて表示するなど、化粧品とは異なるルールがあります。

商品開発時には、一般化粧品として販売するのか、医薬部外品として開発するのかを確認しておくことが重要です。

2. 化粧品パッケージに必要な法定表示

化粧品のパッケージに必要なのは、全成分表示だけではありません。

商品によって詳細は異なりますが、一般的には次のような項目を確認します。

  • 製造販売業者の氏名または名称、住所
  • 販売名
  • 製造番号または製造記号
  • 内容量
  • 全成分
  • 必要に応じた使用期限
  • 使用上または保管上の注意事項

パッケージを制作する際は、商品ごとに必要な表示を確認したうえでデザインへ反映します。

①販売名

「販売名」は、薬機法上製品ごとに届け出る名称です。

ブランド名やパッケージ上で使用する商品愛称と、販売名が異なる場合もあります。

商品名を決める際は、デザインやマーケティングだけでなく、化粧品の名称として適切であるかを確認します。医薬品のような効果を連想させる名称などは、使用できない可能性があります。

②製造販売業者の名称と住所

化粧品には、製造販売業者の名称と住所を表示します。

ここでいう製造販売業者は、単にブランドを運営したり商品を販売したりする会社という意味ではありません。化粧品製造販売業許可を持ち、製品を市場へ出荷する責任を負う事業者です。

OEMで化粧品を製造する場合、自社が製造販売業許可を持っていなければ、OEM会社などが製造販売元になる場合があります。パッケージ制作を始める前に、どの会社を製造販売元として表示するか確認しておくことが大切です。

③内容量や製造番号なども確認する

商品には、内容量や製造番号または製造記号なども表示します。

製造番号は、品質上の問題が発生した場合などに、製造したロットを確認するために使用されます。

デザイン段階では、製造時にロット番号を印字するスペースも確保しておく必要があります。

④小さい容器では表示方法を工夫する

リップやアイライナー、ミニサイズ化粧品などでは、容器に必要事項をすべて記載するスペースがないことがあります。

条件によっては外箱や添付文書などを使用して表示できる場合があります。

「小さいから省略してよい」と判断するのではなく、商品仕様に合わせた表示方法を確認することが重要です。

3. 全成分表示の順番にはルールがある

全成分表示は、配合している成分を自由な順番で記載できるわけではありません。

基本となる表示順があります。

①原則として配合量の多い順

化粧品の全成分は、原則として配合量の多い順に表示します。

例えば、

水 70%
BG 10%
グリセリン 5%

という処方であれば、水、BG、グリセリンの順に表示します。

そのため、全成分表示を見ると、配合量が多い成分をある程度推測できます。ただし、すべての成分が厳密な配合順で並んでいるとは限りません。

②1%以下の成分は順不同で表示できる

全成分表示には例外があります。

配合量が1%以下の成分については、配合量の多い順ではなく、順不同で表示することができます。

例えば、

成分A 0.8%
成分B 0.5%
成分C 0.2%

であれば、A、B、Cの順に並べる必要はありません。

そのため、全成分表示を見ただけでは、1%以下の成分同士の配合量を正確に判断できない場合があります。

③着色剤は最後に順不同で表示できる

着色剤については、その他の成分の後にまとめて順不同で表示できます。

ファンデーションやアイシャドウ、リップなどのメイクアップ製品では、多数の色材を配合する場合があります。

色物化粧品を開発する際は、着色剤の表示ルールも確認しておく必要があります。

④香料は「香料」と表示できる場合がある

香料として使用する成分については、一定の条件のもとで「香料」とまとめて表示できる場合があります。

化粧品原料には複数の成分から構成されるものも多いため、原料メーカーから提供された資料をそのまま転記するのではなく、完成品としての適切な表示名称を確認します。

4. 全成分表示で間違えやすいポイント

初めて化粧品を開発するときに注意したいのが、「工場から処方表をもらえば、そのまま全成分表示として使える」と考えてしまうことです。

全成分表示には、化粧品として適切な表示名称を使用する必要があります。

①原料の商品名をそのまま使用しない

化粧品原料には、原料メーカー独自の商品名が付いている場合があります。

例えば、植物エキスや複数の美容成分を組み合わせた原料が、独自の商品名で販売されていることがあります。

全成分欄では、原料の商品名ではなく、原則として原料を構成する各成分の適切な表示名称を使用します。

②INCI名と日本の表示名称は同じとは限らない

海外工場や海外原料メーカーの資料では、INCI名が使用されていることがあります。

しかし、日本国内で販売する化粧品では、日本向けの適切な成分表示名称を確認する必要があります。

韓国、中国、欧米などでOEM製造した化粧品を日本で販売する場合も、海外パッケージの成分表記をそのまま使用できるとは限りません。

③複合原料の構成成分を確認する

化粧品原料には、一つの原料のなかに複数の成分が含まれているものがあります。

例えば植物エキスには、植物由来の成分だけでなく、

・水 ・BG

・グリセリン ・防腐剤

などが含まれている場合があります。

完成品の全成分表示を作る際は、こうした構成成分まで確認する必要があります。

④キャリーオーバー成分の判断に注意する

原料に含まれる成分のうち、製品中ではその効果を発揮する量より少なく、原料由来で持ち込まれたものなどは、「キャリーオーバー」として表示を省略できる場合があります。

ただし、少量であればすべてキャリーオーバーになるわけではありません。その成分の配合目的や完成品での働きを踏まえて判断する必要があります。

⑤処方変更後は全成分表示も再確認する

試作を繰り返していると、原料の追加や削除、配合量の変更が発生することがあります。

処方が変われば、全成分の内容だけでなく、表示する順番が変わる可能性があります。

パッケージデザインを量産用として確定する前に、最終処方と全成分表示を照合します。全成分表示は試作段階の処方ではなく、実際に量産する最終処方に基づいて確定することが重要です。

5. パッケージで注意したい薬機法のNG表現

化粧品のパッケージでは、全成分や製造販売元などの法定表示が正しくても、キャッチコピーや商品の説明文が薬機法上問題になる場合があります。

化粧品として表現できる効能効果には一定の範囲があります。

①「アトピーが治る」など病気の治療を示す表現

一般化粧品で、

「アトピーが治る」
「ニキビを治療する」
「皮膚炎を改善する」

など、疾病の治療や改善を意味する表現は使用できません。

化粧品は、医薬品のように病気を治療することを目的とした商品ではないためです。

商品コンセプトを作る段階から、化粧品として認められる効能効果の範囲を確認しておくことが重要です。

②「肌の奥深くまで浸透」など範囲が不明確な表現

スキンケア化粧品では、「浸透」という表現が使用されることがあります。

ただし、「肌の奥深くまで浸透」などの表現では、真皮など角質層より深い部分まで浸透するような印象を与える可能性があります。

化粧品で浸透を表現する場合は、「角質層まで」など、対象となる範囲を明確にすることが重要です。

③「シミが消える」「シワがなくなる」などの表現

一般化粧品について、

「シミが消える」
「シワがなくなる」
「たるみを治す」

など、身体の構造や機能を大きく変化させるような表現は避ける必要があります。

一般化粧品と、承認された医薬部外品では使用できる効能表現も異なります。どのような効果を商品の中心として訴求したいのかによって、商品区分や開発方法を検討します。

④配合成分の効果を完成品の効果として断定しない

特定の美容成分について研究データが存在していても、その成分を配合しただけで、完成品について同じ効果が得られると断定できるわけではありません。

例えば、原料メーカーが取得した試験データをもとに、完成した美容液そのものについて同じ数値効果があるように表示すると、消費者へ誤解を与える可能性があります。

完成品の効果を数値などで伝えたい場合は、商品自体を用いた効能評価試験などを検討する方法があります。

6. 全成分表示と広告表現は別に確認する

全成分欄を正しく作成できても、それだけで化粧品パッケージの確認が終わるわけではありません。

パッケージには、

  • 商品名
  • キャッチコピー
  • 成分に関する説明
  • 使用方法
  • 商品の特徴
  • 試験や評価に関する表現

なども記載されます。

これらについては、全成分表示とは別に薬機法や景品表示法などを踏まえて確認する必要があります。

①特定の成分を目立たせる場合

パッケージ表面に「○○配合」と大きく表示することがあります。

その場合は、実際にその成分を配合していることはもちろん、どのような目的で配合しているのかも確認します。

例えば、「○○配合(保湿成分)」など、配合目的を記載することで、商品の効果との関係を明確にできる場合があります。

②「○○フリー」の表現

「パラベンフリー」「アルコールフリー」などの表示を行う場合は、完成品の処方全体を確認します。

複合原料のなかに対象となる成分が含まれていないかも確認する必要があります。

また、特定成分を配合していないことが、他の商品より安全であると誤認させるような表現にならないよう注意します。

③試験済み表示にも注意する

「パッチテスト済み」
「アレルギーテスト済み」

などを表示する場合は、実際に適切な試験を実施していることが前提です。

また、試験を実施していても、すべての人に皮膚刺激やアレルギーが生じないことを保証するものではありません。試験内容に応じて、適切な注記も検討します。

7. デザイン性と法規制を両立するポイント

化粧品パッケージは、ブランドの世界観を伝える重要な要素です。

一方で、デザインを優先しすぎると、必要な表示スペースが足りなくなることがあります。

①デザインを始める前に必要な文字量を確認する

デザイン制作前に、

  • 販売名
  • 内容量
  • 全成分
  • 製造販売元
  • 使用方法
  • 使用上の注意
  • 製造番号の印字スペース

などを整理します。

全成分数の多い化粧品では、想定以上に大きな表示スペースが必要になることがあります。

先にロゴやイラストを配置するのではなく、必要となる表示内容を確認してからデザインを作ることで、修正を減らしやすくなります。

②文字の読みやすさを確認する

法定表示をすべて記載していても、文字が極端に小さい、背景と同化しているなど、消費者が読みにくい状態では適切とはいえません。

小型容器の場合は、外箱を設けるなど、デザインと表示スペースの両方を考えて商品仕様を決めます。

③印刷前に法規制を確認する

表示内容に問題がある状態でパッケージを量産してしまうと、シールによる訂正や再印刷が必要になる可能性があります。

数千個単位でパッケージを作る場合、修正費用も大きくなります。

パッケージ完成後に法律を確認するのではなく、デザイン制作と法規制の確認を並行して進めることが重要です。

8. Beauty Creatorsならパッケージ表示まで相談できる

初めて化粧品を作る場合、全成分表示、法定表示、広告表現までを自社だけで判断することは簡単ではありません。

特に韓国や中国など海外の工場でOEM製造する場合は、現地で作成された資料を、日本国内のルールに合わせて確認する必要があります。

Beauty Creatorsでは、韓国や中国をはじめとする国内外の工場ネットワークを活用し、化粧品の商品企画から製造、日本での販売までをサポートしています。

①海外工場の商品も日本向け表示を確認できる

海外で使用されている成分名称やパッケージ表示を、そのまま日本向け商品に使用できるとは限りません。

日本で販売する場合は、全成分表示、製造販売元、広告表現などを日本のルールに合わせて整える必要があります。

Beauty Creatorsでは、海外工場とのやり取りを含め、日本で販売するために必要な情報を整理しながら商品開発を進めます。

②処方とパッケージを並行して進められる

化粧品開発では、処方だけを先に決めたり、デザインだけを先に完成させたりすると、後から修正が必要になる場合があります。

例えば、容器を決めてから全成分表示が入りきらないことがわかれば、外箱の追加や容器変更が必要になる可能性があります。

企画段階から必要な表示項目を考えることで、こうしたやり直しを減らしやすくなります。

③販売時の訴求まで考えられる

パッケージに何を記載するかは、商品のマーケティングとも関係します。

「どの成分を商品の特徴として伝えるのか」「誰に販売するのか」「どのような広告を行うのか」を整理しながら商品開発を行うことで、処方と販売戦略をつなげやすくなります。

Beauty Creatorsでは、化粧品を作るだけでなく、全成分表示、法定表示、パッケージ、広告表現までを見据えた商品開発をサポートしています。

「パッケージに何を表示すればよいかわからない」「海外OEMで作った商品の日本向け表示を確認したい」といった段階から相談できます。

9. まとめ

日本で化粧品を販売する場合は、原則として配合されているすべての成分を表示します。

全成分表示の主なルールは次のとおりです。

  • 原則として配合量の多い順に表示する
  • 配合量1%以下の成分は順不同で表示できる
  • 着色剤はその他の成分の後に順不同で表示できる
  • 適切な日本語の成分表示名称を使用する
  • 複合原料に含まれる構成成分も確認する
  • 最終処方と全成分表示を照合する

また、パッケージには全成分だけでなく、販売名や製造販売業者の名称・住所など、必要な法定表示があります。

さらに、「アトピーが治る」「肌の奥深くまで浸透」といった、化粧品の効能範囲を超える表現にも注意が必要です。

デザイン完成後に表示の問題が見つかると、パッケージの修正や再印刷が必要になる可能性があります。そのため、処方、全成分表示、パッケージデザイン、広告表現を商品企画の段階から一緒に考えることが重要です。

Beauty Creatorsでは、国内外のOEM工場選定から商品企画、パッケージ表示、法規制、販売まで相談できます。初めて化粧品を開発する場合や、海外OEMの商品を日本で販売したい場合も、企画段階からご相談ください。

参考資料
・厚生労働省「化粧品・医薬部外品等ホームページ」
・厚生労働省「化粧品の全成分表示の表示方法等について」
・日本化粧品工業会「化粧品の成分表示名称リスト」
・日本化粧品工業会「適正広告について」
・日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン」

化粧品のパッケージを見ると、「水、BG、グリセリン……」など、多くの成分が記載されています。

初めてオリジナル化粧品を作る方のなかには、「配合している成分はすべて書く必要があるのか」「成分を並べる順番にルールはあるのか」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

日本で化粧品を販売する場合は、原則として配合されているすべての成分を表示する「全成分表示」が必要です。また、パッケージには全成分だけでなく、販売名や製造販売業者の名称・住所など、法令に基づいて表示する項目があります。

さらに、パッケージ上の商品説明やキャッチコピーには、薬機法を踏まえた表現が求められます。本記事では、化粧品の全成分表示のルールと、パッケージ制作時に注意したい薬機法上の表現について、初心者にもわかりやすく解説します。

1. 化粧品の全成分表示とは

化粧品の全成分表示とは、製品に配合されている成分を、原則としてすべて表示する仕組みです。

日本では2001年4月から化粧品の全成分表示制度が導入されています。消費者が商品を選ぶ際に配合成分を確認できるようにし、自分に合う化粧品を選択するための情報を提供することが目的の一つです。

①原則として配合しているすべての成分を表示する

一般化粧品では、一部の例外を除いて、完成品に配合されているすべての成分を表示します。

例えば、美容液に、

・水 ・BG

・グリセリン ・ヒアルロン酸Na

・植物エキス ・防腐剤

などが含まれていれば、それぞれ適切な表示名称を使用して記載します。

商品の特徴として訴求する美容成分だけを記載すればよいわけではありません。

②消費者が商品を選ぶための情報になる

全成分表示があることで、消費者は購入前に配合成分を確認できます。

過去に特定の成分が肌に合わなかった場合なども、購入前にその成分が含まれていないか確認する材料になります。

全成分表示は、商品の特徴を伝えるためだけでなく、消費者が商品を選択するための重要な情報です。

③化粧品と医薬部外品では表示方法が異なる

一般化粧品と医薬部外品では、成分表示の考え方が異なります。

一般化粧品は原則として全成分を表示します。一方、医薬部外品では、「有効成分」と「その他の成分」を分けて表示するなど、化粧品とは異なるルールがあります。

商品開発時には、一般化粧品として販売するのか、医薬部外品として開発するのかを確認しておくことが重要です。

2. 化粧品パッケージに必要な法定表示

化粧品のパッケージに必要なのは、全成分表示だけではありません。

商品によって詳細は異なりますが、一般的には次のような項目を確認します。

  • 製造販売業者の氏名または名称、住所
  • 販売名
  • 製造番号または製造記号
  • 内容量
  • 全成分
  • 必要に応じた使用期限
  • 使用上または保管上の注意事項

パッケージを制作する際は、商品ごとに必要な表示を確認したうえでデザインへ反映します。

①販売名

「販売名」は、薬機法上製品ごとに届け出る名称です。

ブランド名やパッケージ上で使用する商品愛称と、販売名が異なる場合もあります。

商品名を決める際は、デザインやマーケティングだけでなく、化粧品の名称として適切であるかを確認します。医薬品のような効果を連想させる名称などは、使用できない可能性があります。

②製造販売業者の名称と住所

化粧品には、製造販売業者の名称と住所を表示します。

ここでいう製造販売業者は、単にブランドを運営したり商品を販売したりする会社という意味ではありません。化粧品製造販売業許可を持ち、製品を市場へ出荷する責任を負う事業者です。

OEMで化粧品を製造する場合、自社が製造販売業許可を持っていなければ、OEM会社などが製造販売元になる場合があります。パッケージ制作を始める前に、どの会社を製造販売元として表示するか確認しておくことが大切です。

③内容量や製造番号なども確認する

商品には、内容量や製造番号または製造記号なども表示します。

製造番号は、品質上の問題が発生した場合などに、製造したロットを確認するために使用されます。

デザイン段階では、製造時にロット番号を印字するスペースも確保しておく必要があります。

④小さい容器では表示方法を工夫する

リップやアイライナー、ミニサイズ化粧品などでは、容器に必要事項をすべて記載するスペースがないことがあります。

条件によっては外箱や添付文書などを使用して表示できる場合があります。

「小さいから省略してよい」と判断するのではなく、商品仕様に合わせた表示方法を確認することが重要です。

3. 全成分表示の順番にはルールがある

全成分表示は、配合している成分を自由な順番で記載できるわけではありません。

基本となる表示順があります。

①原則として配合量の多い順

化粧品の全成分は、原則として配合量の多い順に表示します。

例えば、

水 70%
BG 10%
グリセリン 5%

という処方であれば、水、BG、グリセリンの順に表示します。

そのため、全成分表示を見ると、配合量が多い成分をある程度推測できます。ただし、すべての成分が厳密な配合順で並んでいるとは限りません。

②1%以下の成分は順不同で表示できる

全成分表示には例外があります。

配合量が1%以下の成分については、配合量の多い順ではなく、順不同で表示することができます。

例えば、

成分A 0.8%
成分B 0.5%
成分C 0.2%

であれば、A、B、Cの順に並べる必要はありません。

そのため、全成分表示を見ただけでは、1%以下の成分同士の配合量を正確に判断できない場合があります。

③着色剤は最後に順不同で表示できる

着色剤については、その他の成分の後にまとめて順不同で表示できます。

ファンデーションやアイシャドウ、リップなどのメイクアップ製品では、多数の色材を配合する場合があります。

色物化粧品を開発する際は、着色剤の表示ルールも確認しておく必要があります。

④香料は「香料」と表示できる場合がある

香料として使用する成分については、一定の条件のもとで「香料」とまとめて表示できる場合があります。

化粧品原料には複数の成分から構成されるものも多いため、原料メーカーから提供された資料をそのまま転記するのではなく、完成品としての適切な表示名称を確認します。

4. 全成分表示で間違えやすいポイント

初めて化粧品を開発するときに注意したいのが、「工場から処方表をもらえば、そのまま全成分表示として使える」と考えてしまうことです。

全成分表示には、化粧品として適切な表示名称を使用する必要があります。

①原料の商品名をそのまま使用しない

化粧品原料には、原料メーカー独自の商品名が付いている場合があります。

例えば、植物エキスや複数の美容成分を組み合わせた原料が、独自の商品名で販売されていることがあります。

全成分欄では、原料の商品名ではなく、原則として原料を構成する各成分の適切な表示名称を使用します。

②INCI名と日本の表示名称は同じとは限らない

海外工場や海外原料メーカーの資料では、INCI名が使用されていることがあります。

しかし、日本国内で販売する化粧品では、日本向けの適切な成分表示名称を確認する必要があります。

韓国、中国、欧米などでOEM製造した化粧品を日本で販売する場合も、海外パッケージの成分表記をそのまま使用できるとは限りません。

③複合原料の構成成分を確認する

化粧品原料には、一つの原料のなかに複数の成分が含まれているものがあります。

例えば植物エキスには、植物由来の成分だけでなく、

・水 ・BG

・グリセリン ・防腐剤

などが含まれている場合があります。

完成品の全成分表示を作る際は、こうした構成成分まで確認する必要があります。

④キャリーオーバー成分の判断に注意する

原料に含まれる成分のうち、製品中ではその効果を発揮する量より少なく、原料由来で持ち込まれたものなどは、「キャリーオーバー」として表示を省略できる場合があります。

ただし、少量であればすべてキャリーオーバーになるわけではありません。その成分の配合目的や完成品での働きを踏まえて判断する必要があります。

⑤処方変更後は全成分表示も再確認する

試作を繰り返していると、原料の追加や削除、配合量の変更が発生することがあります。

処方が変われば、全成分の内容だけでなく、表示する順番が変わる可能性があります。

パッケージデザインを量産用として確定する前に、最終処方と全成分表示を照合します。全成分表示は試作段階の処方ではなく、実際に量産する最終処方に基づいて確定することが重要です。

5. パッケージで注意したい薬機法のNG表現

化粧品のパッケージでは、全成分や製造販売元などの法定表示が正しくても、キャッチコピーや商品の説明文が薬機法上問題になる場合があります。

化粧品として表現できる効能効果には一定の範囲があります。

①「アトピーが治る」など病気の治療を示す表現

一般化粧品で、

「アトピーが治る」
「ニキビを治療する」
「皮膚炎を改善する」

など、疾病の治療や改善を意味する表現は使用できません。

化粧品は、医薬品のように病気を治療することを目的とした商品ではないためです。

商品コンセプトを作る段階から、化粧品として認められる効能効果の範囲を確認しておくことが重要です。

②「肌の奥深くまで浸透」など範囲が不明確な表現

スキンケア化粧品では、「浸透」という表現が使用されることがあります。

ただし、「肌の奥深くまで浸透」などの表現では、真皮など角質層より深い部分まで浸透するような印象を与える可能性があります。

化粧品で浸透を表現する場合は、「角質層まで」など、対象となる範囲を明確にすることが重要です。

③「シミが消える」「シワがなくなる」などの表現

一般化粧品について、

「シミが消える」
「シワがなくなる」
「たるみを治す」

など、身体の構造や機能を大きく変化させるような表現は避ける必要があります。

一般化粧品と、承認された医薬部外品では使用できる効能表現も異なります。どのような効果を商品の中心として訴求したいのかによって、商品区分や開発方法を検討します。

④配合成分の効果を完成品の効果として断定しない

特定の美容成分について研究データが存在していても、その成分を配合しただけで、完成品について同じ効果が得られると断定できるわけではありません。

例えば、原料メーカーが取得した試験データをもとに、完成した美容液そのものについて同じ数値効果があるように表示すると、消費者へ誤解を与える可能性があります。

完成品の効果を数値などで伝えたい場合は、商品自体を用いた効能評価試験などを検討する方法があります。

6. 全成分表示と広告表現は別に確認する

全成分欄を正しく作成できても、それだけで化粧品パッケージの確認が終わるわけではありません。

パッケージには、

  • 商品名
  • キャッチコピー
  • 成分に関する説明
  • 使用方法
  • 商品の特徴
  • 試験や評価に関する表現

なども記載されます。

これらについては、全成分表示とは別に薬機法や景品表示法などを踏まえて確認する必要があります。

①特定の成分を目立たせる場合

パッケージ表面に「○○配合」と大きく表示することがあります。

その場合は、実際にその成分を配合していることはもちろん、どのような目的で配合しているのかも確認します。

例えば、「○○配合(保湿成分)」など、配合目的を記載することで、商品の効果との関係を明確にできる場合があります。

②「○○フリー」の表現

「パラベンフリー」「アルコールフリー」などの表示を行う場合は、完成品の処方全体を確認します。

複合原料のなかに対象となる成分が含まれていないかも確認する必要があります。

また、特定成分を配合していないことが、他の商品より安全であると誤認させるような表現にならないよう注意します。

③試験済み表示にも注意する

「パッチテスト済み」
「アレルギーテスト済み」

などを表示する場合は、実際に適切な試験を実施していることが前提です。

また、試験を実施していても、すべての人に皮膚刺激やアレルギーが生じないことを保証するものではありません。試験内容に応じて、適切な注記も検討します。

7. デザイン性と法規制を両立するポイント

化粧品パッケージは、ブランドの世界観を伝える重要な要素です。

一方で、デザインを優先しすぎると、必要な表示スペースが足りなくなることがあります。

①デザインを始める前に必要な文字量を確認する

デザイン制作前に、

  • 販売名
  • 内容量
  • 全成分
  • 製造販売元
  • 使用方法
  • 使用上の注意
  • 製造番号の印字スペース

などを整理します。

全成分数の多い化粧品では、想定以上に大きな表示スペースが必要になることがあります。

先にロゴやイラストを配置するのではなく、必要となる表示内容を確認してからデザインを作ることで、修正を減らしやすくなります。

②文字の読みやすさを確認する

法定表示をすべて記載していても、文字が極端に小さい、背景と同化しているなど、消費者が読みにくい状態では適切とはいえません。

小型容器の場合は、外箱を設けるなど、デザインと表示スペースの両方を考えて商品仕様を決めます。

③印刷前に法規制を確認する

表示内容に問題がある状態でパッケージを量産してしまうと、シールによる訂正や再印刷が必要になる可能性があります。

数千個単位でパッケージを作る場合、修正費用も大きくなります。

パッケージ完成後に法律を確認するのではなく、デザイン制作と法規制の確認を並行して進めることが重要です。

8. Beauty Creatorsならパッケージ表示まで相談できる

初めて化粧品を作る場合、全成分表示、法定表示、広告表現までを自社だけで判断することは簡単ではありません。

特に韓国や中国など海外の工場でOEM製造する場合は、現地で作成された資料を、日本国内のルールに合わせて確認する必要があります。

Beauty Creatorsでは、韓国や中国をはじめとする国内外の工場ネットワークを活用し、化粧品の商品企画から製造、日本での販売までをサポートしています。

①海外工場の商品も日本向け表示を確認できる

海外で使用されている成分名称やパッケージ表示を、そのまま日本向け商品に使用できるとは限りません。

日本で販売する場合は、全成分表示、製造販売元、広告表現などを日本のルールに合わせて整える必要があります。

Beauty Creatorsでは、海外工場とのやり取りを含め、日本で販売するために必要な情報を整理しながら商品開発を進めます。

②処方とパッケージを並行して進められる

化粧品開発では、処方だけを先に決めたり、デザインだけを先に完成させたりすると、後から修正が必要になる場合があります。

例えば、容器を決めてから全成分表示が入りきらないことがわかれば、外箱の追加や容器変更が必要になる可能性があります。

企画段階から必要な表示項目を考えることで、こうしたやり直しを減らしやすくなります。

③販売時の訴求まで考えられる

パッケージに何を記載するかは、商品のマーケティングとも関係します。

「どの成分を商品の特徴として伝えるのか」「誰に販売するのか」「どのような広告を行うのか」を整理しながら商品開発を行うことで、処方と販売戦略をつなげやすくなります。

Beauty Creatorsでは、化粧品を作るだけでなく、全成分表示、法定表示、パッケージ、広告表現までを見据えた商品開発をサポートしています。

「パッケージに何を表示すればよいかわからない」「海外OEMで作った商品の日本向け表示を確認したい」といった段階から相談できます。

9. まとめ

日本で化粧品を販売する場合は、原則として配合されているすべての成分を表示します。

全成分表示の主なルールは次のとおりです。

  • 原則として配合量の多い順に表示する
  • 配合量1%以下の成分は順不同で表示できる
  • 着色剤はその他の成分の後に順不同で表示できる
  • 適切な日本語の成分表示名称を使用する
  • 複合原料に含まれる構成成分も確認する
  • 最終処方と全成分表示を照合する

また、パッケージには全成分だけでなく、販売名や製造販売業者の名称・住所など、必要な法定表示があります。

さらに、「アトピーが治る」「肌の奥深くまで浸透」といった、化粧品の効能範囲を超える表現にも注意が必要です。

デザイン完成後に表示の問題が見つかると、パッケージの修正や再印刷が必要になる可能性があります。そのため、処方、全成分表示、パッケージデザイン、広告表現を商品企画の段階から一緒に考えることが重要です。

Beauty Creatorsでは、国内外のOEM工場選定から商品企画、パッケージ表示、法規制、販売まで相談できます。初めて化粧品を開発する場合や、海外OEMの商品を日本で販売したい場合も、企画段階からご相談ください。

参考資料
・厚生労働省「化粧品・医薬部外品等ホームページ」
・厚生労働省「化粧品の全成分表示の表示方法等について」
・日本化粧品工業会「化粧品の成分表示名称リスト」
・日本化粧品工業会「適正広告について」
・日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン」

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