1. はじめに
化粧品を企画する際、「配合成分に関する論文があるから、商品の効果も説明できるのではないか」と考える方もいるかもしれません。
しかし、配合成分に関する研究データと、完成した化粧品そのものを使って得られた試験結果は、必ずしも同じものではありません。
化粧品市場では、同じような成分やコンセプトの商品が数多く展開されており、成分の説明だけでは商品の魅力が伝わりにくくなっています。
そんな中、注目されているのが「エビデンス(科学的根拠)」の取得です。
完成品を用いた効能評価試験やパッチテストなどのデータは、商品の信頼性を高め、競合商品との差別化を図るうえで重要な役割を果たします。
「エビデンスとは具体的に何を指すのか?」「どのように取得し、どう活用すればよいのか?」
この記事では、化粧品におけるエビデンスの意味や代表的な試験、取得するメリット、マーケティングへの活用方法まで、初心者にもわかりやすくご紹介します。
2. 化粧品における「エビデンス(科学的根拠)」とは
①「成分のエビデンス」と「商品のエビデンス」の違い
成分のエビデンスとは、特定の原料や成分について実施された研究や試験の結果です。
一方、商品のエビデンスとは、実際に販売する処方や完成品を対象として取得したデータを指します。
例えば、保湿成分について研究報告が存在していても、その成分を少量配合しただけで、完成品の保湿効果を同じように説明できるとは限りません。
化粧品は、原料の配合量や組み合わせ、剤形、使用方法などによって、使用感や肌への作用が変わる可能性があります。
そのため、商品の保湿力を訴求する場合は、完成品を使用した水分量測定試験などを行い、商品そのものに関するデータを取得することが重要です。
②エビデンスがあれば自由に広告できるわけではない
試験で一定の結果が得られていても、化粧品で表現できる効能効果の範囲を超えて広告できるわけではありません。
日本で化粧品として表現できる効能は、厚生労働省が示す範囲を基本として検討する必要があり、広告に活用する際にはいくつかの注意点があります。
- 試験結果を過度に一般化しない
少人数を対象とした試験結果を、すべての使用者に同じ効果が得られるかのように表現することは避けます。
アンケート結果を掲載する場合も、被験者数や調査条件を示すことが大切です。
- 医薬品のような治療効果を表現しない
化粧品は病気の診断、治療、予防を目的とする製品ではないため、「アトピーを治す」「細胞を再生する」など、医薬品のような効果を示す表現は避ける必要があります。
- 試験条件と異なる使用方法で訴求しない
試験では1日2回使用しているにもかかわらず、1回の使用だけで同様の結果が得られるように表示するなど、試験条件と異なる訴求は避けます。
エビデンスは表現を無制限に広げるものではなく、認められた範囲の訴求に客観性を持たせるものと考えることが大切です。
3. 化粧品のエビデンスとして使われる主な試験
化粧品開発では、確認したい内容に応じて試験方法を選びます。安全性を確認する試験と、商品の機能を測定する試験では目的が異なるため、商品コンセプトや販売時の訴求内容を踏まえた設計が必要です。
1. 効能評価試験
効能評価試験は、化粧品を使用した前後の肌状態などを測定し、商品の機能を客観的に評価する試験です。保湿試験やバリア機能評価、弾力・ハリの測定など、確認したい効果に応じてさまざまな試験方法があります。
2. パッチテスト・スティンギングテスト
パッチテストは、化粧品を皮膚に一定時間接触させ、赤みなどの皮膚反応を確認する試験です。スティンギングテストは、使用時のヒリヒリ感やかゆみなど、被験者が感じる感覚的な刺激を評価する試験で、敏感肌向け化粧品などで活用されています。
3. アレルギーテスト・使用感アンケート調査
アレルギーテストは、繰り返し製品を皮膚に塗布し、アレルギー性の反応が生じないかを確認する試験です。使用感やアンケート調査を組み合わせることで、機器測定による客観的な数値と消費者の主観的な評価の両方から、商品の特徴を多面的に伝えられます。
4. エビデンスを取得するメリット
エビデンスは、研究開発のためだけに取得するものではありません。商品企画、営業活動、広告制作、医師や専門家への提案など、ブランド運営のさまざまな場面で活用できます。
- 競合商品との差別化につながる
完成品を使用した試験データがあれば、商品の設計意図を客観的な数値や結果とともに説明できます。似たコンセプトの商品が並ぶ市場では、完成品による試験データがブランドの独自性を支える材料になります。
- 広告表現の根拠になり、専門家への提案もしやすくなる
商品に合った条件で試験を行い、結果を適切に管理しておくことで、パッケージやLP、営業資料などの表現を検討しやすくなります。また、パッチテストや効能評価試験などのデータがあれば、医師や専門家に商品を提案する際の基礎資料としても活用できます。
5. まとめ
エビデンスは、商品力を客観的に伝えるための科学的根拠
化粧品のエビデンスを取得することで、
- 競合商品との差別化につながる
- 広告表現を検討する際の根拠になる
- 医師や専門家、販売先への提案がしやすくなる
といった役割を果たします。
ただし、試験結果があれば、どのような効果でも広告できるわけではありません。薬機法や景品表示法、化粧品の効能範囲を踏まえ、試験条件と一致した表現を選ぶ必要があります。
当社Beauty Creatorsでは、国内外の工場ネットワークを活用した化粧品OEMに加え、商品コンセプトに応じた効能評価試験やパッチテストなどの実施もサポートしています。
化粧品のエビデンス取得やマーケティングへの活用をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
1. はじめに
化粧品を企画する際、「配合成分に関する論文があるから、商品の効果も説明できるのではないか」と考える方もいるかもしれません。
しかし、配合成分に関する研究データと、完成した化粧品そのものを使って得られた試験結果は、必ずしも同じものではありません。
化粧品市場では、同じような成分やコンセプトの商品が数多く展開されており、成分の説明だけでは商品の魅力が伝わりにくくなっています。
そんな中、注目されているのが「エビデンス(科学的根拠)」の取得です。
完成品を用いた効能評価試験やパッチテストなどのデータは、商品の信頼性を高め、競合商品との差別化を図るうえで重要な役割を果たします。
「エビデンスとは具体的に何を指すのか?」「どのように取得し、どう活用すればよいのか?」
この記事では、化粧品におけるエビデンスの意味や代表的な試験、取得するメリット、マーケティングへの活用方法まで、初心者にもわかりやすくご紹介します。
2. 化粧品における「エビデンス(科学的根拠)」とは
①「成分のエビデンス」と「商品のエビデンス」の違い
成分のエビデンスとは、特定の原料や成分について実施された研究や試験の結果です。
一方、商品のエビデンスとは、実際に販売する処方や完成品を対象として取得したデータを指します。
例えば、保湿成分について研究報告が存在していても、その成分を少量配合しただけで、完成品の保湿効果を同じように説明できるとは限りません。
化粧品は、原料の配合量や組み合わせ、剤形、使用方法などによって、使用感や肌への作用が変わる可能性があります。
そのため、商品の保湿力を訴求する場合は、完成品を使用した水分量測定試験などを行い、商品そのものに関するデータを取得することが重要です。
②エビデンスがあれば自由に広告できるわけではない
試験で一定の結果が得られていても、化粧品で表現できる効能効果の範囲を超えて広告できるわけではありません。
日本で化粧品として表現できる効能は、厚生労働省が示す範囲を基本として検討する必要があり、広告に活用する際にはいくつかの注意点があります。
- 試験結果を過度に一般化しない
少人数を対象とした試験結果を、すべての使用者に同じ効果が得られるかのように表現することは避けます。
アンケート結果を掲載する場合も、被験者数や調査条件を示すことが大切です。
- 医薬品のような治療効果を表現しない
化粧品は病気の診断、治療、予防を目的とする製品ではないため、「アトピーを治す」「細胞を再生する」など、医薬品のような効果を示す表現は避ける必要があります。
- 試験条件と異なる使用方法で訴求しない
試験では1日2回使用しているにもかかわらず、1回の使用だけで同様の結果が得られるように表示するなど、試験条件と異なる訴求は避けます。
エビデンスは表現を無制限に広げるものではなく、認められた範囲の訴求に客観性を持たせるものと考えることが大切です。
3. 化粧品のエビデンスとして使われる主な試験
化粧品開発では、確認したい内容に応じて試験方法を選びます。安全性を確認する試験と、商品の機能を測定する試験では目的が異なるため、商品コンセプトや販売時の訴求内容を踏まえた設計が必要です。
1. 効能評価試験
効能評価試験は、化粧品を使用した前後の肌状態などを測定し、商品の機能を客観的に評価する試験です。保湿試験やバリア機能評価、弾力・ハリの測定など、確認したい効果に応じてさまざまな試験方法があります。
2. パッチテスト・スティンギングテスト
パッチテストは、化粧品を皮膚に一定時間接触させ、赤みなどの皮膚反応を確認する試験です。スティンギングテストは、使用時のヒリヒリ感やかゆみなど、被験者が感じる感覚的な刺激を評価する試験で、敏感肌向け化粧品などで活用されています。
3. アレルギーテスト・使用感アンケート調査
アレルギーテストは、繰り返し製品を皮膚に塗布し、アレルギー性の反応が生じないかを確認する試験です。使用感やアンケート調査を組み合わせることで、機器測定による客観的な数値と消費者の主観的な評価の両方から、商品の特徴を多面的に伝えられます。
4. エビデンスを取得するメリット
エビデンスは、研究開発のためだけに取得するものではありません。商品企画、営業活動、広告制作、医師や専門家への提案など、ブランド運営のさまざまな場面で活用できます。
- 競合商品との差別化につながる
完成品を使用した試験データがあれば、商品の設計意図を客観的な数値や結果とともに説明できます。似たコンセプトの商品が並ぶ市場では、完成品による試験データがブランドの独自性を支える材料になります。
- 広告表現の根拠になり、専門家への提案もしやすくなる
商品に合った条件で試験を行い、結果を適切に管理しておくことで、パッケージやLP、営業資料などの表現を検討しやすくなります。また、パッチテストや効能評価試験などのデータがあれば、医師や専門家に商品を提案する際の基礎資料としても活用できます。
5. まとめ
エビデンスは、商品力を客観的に伝えるための科学的根拠
化粧品のエビデンスを取得することで、
- 競合商品との差別化につながる
- 広告表現を検討する際の根拠になる
- 医師や専門家、販売先への提案がしやすくなる
といった役割を果たします。
ただし、試験結果があれば、どのような効果でも広告できるわけではありません。薬機法や景品表示法、化粧品の効能範囲を踏まえ、試験条件と一致した表現を選ぶ必要があります。
当社Beauty Creatorsでは、国内外の工場ネットワークを活用した化粧品OEMに加え、商品コンセプトに応じた効能評価試験やパッチテストなどの実施もサポートしています。
化粧品のエビデンス取得やマーケティングへの活用をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
